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「普通株」
ほんの十数年前までは、株式と言えば「額面株式」と「無額面株式」があるぐらいで、その株式にどんな違いがあるかと言えば、株券に券面額があるかないかの違いで、
株式に内在する権利、?配当金をもらう権利(配当受領権)、?株主総会に参加する権利(議決権)、?会社が解散・清算した場合に残った財産をもらう権利(残余財産分配請求権)などには違いはありませんでした。あえて、株式の権利に違いがある株式が存在していたと言えば、それは、「譲渡制限株式」くらいです。しかし、その株式も譲渡の制限があるだけで、上記3つの権利は,欠けることなく持っていました。したがって、「普通株」という名の株式は存在しませんでした。
(1)普通株の存在
しかし、その後、旧商法時代においても権利の内容を異にする株式、優先株(配当を優先的にもらう権利のある株式)、劣後株(配当より経営権を優先する株式)、議決権制限株、拒否権付株(黄金株、全議案に拒否権)などの発行が容認され、会社法になってからは、さらに多様な権利の内容の異なる株式、いわゆる種類株式の発行が定款変更によっていつでも可能になりました。
そこで、普通株の存在は、上記3つの権利を何ら制約なく行使できる株式を「普通株」と呼び、それ以外の株式との違いを明らにすることにあったようです。株式市場で売買されている株、そして、未上場の中小企業の株の殆どがこの「普通株」です。
(2)種類株式発行の目的
上場会社にあっては、種類株式発行の目的はファイナンス(資金調達)です。
一方、中小企業にとっては、オーナー社長の相続対策、あるいは、後継者の経営権確保を目的に発行されます。しかし、議決権制限株、拒否権付株といった種類株を発行しなければ経営権がスムーズに移譲できないことの方が問題かもしれません。
中野税理士事務所 名古屋市中区大須:独立開業・会社設立・店舗開業・起業支援
2009年09月29日
協会けんぽの保険料率
9月1日より、中小企業のサラリーマンの多くが加入する「全国健康保険協会(協会けんぽ)」の保険料を「都道府県ごとの保険料率」で計算することになりました。
これまでは、全国一律の保険料率(8.2%)で計算していましたが、9月分の保険料(一般の被保険者については10月納付分、任意継続被保険者については9月納付分)から、都道府県ごとに定めれた保険料率(8.18%〜8.26%)で計算することになります。
9月分(10月納付分)では厚生年金の保険料率も15.35%から15.704%(会社と従業員が7.852%づつ折半)に引き上げられますので、合わせて間違えないように注意しましょう。
協会けんぽの「都道府県ごとの保険料率」ですが、正確には「協会けんぽ都道府県支部ごとの保険料率」で、基本的に会社の所在地(健康保険適用事業所の届出を行っている場所)の属する「協会けんぽ都道府県支部」によって保険料率が決まります。まだ勘違いしている方が多いようですが、被保険者のの住所(居住地)ごとに保険料率が変わるわけではありませんので注意してください。
また、事業所が別々の都道府県にある場合の取り扱いですが、本社が一括で「協会けんぽ」に申請している場合は、本社が申請している「協会けんぽ都道府県支部の保険料率」となります。たとえば本社が東京で事業所が千葉と埼玉にあるケースで、本社が一括で「協会けんぽ東京支部」に申請をしている場合は、千葉と埼玉の事業所に勤めている従業員も「協会けんぽ東京支部の保険料率8.18%」になります。
一方、事業所ごとに申請しているケースでは、事業所ごとに保険料率が異なる場合もあります。
なお、協会けんぽの健康保険証には「保険者名称」欄に「全国健康保険協会○○支部」と記載されていますが、その○○に入る都道府県名が適用されている「協会けんぽ都道府県支部ごとの保険料率」を表すことになります。
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2009年09月28日
「下取りセール」と「下取り」
長引く景気悪化の影響で消費が低迷、小売業界が悲鳴をあげています。この状況を何とか抜け出そうと、各社さまざまな消費刺激策を打ち出していますが、なかでも大きな効果を挙げているのが「下取りセール」です。この「下取りセール」、通常の下取りとはどこが違うのでしょうか。
「下取りセール」は、消費者が一定金額以上の商品を購入することを条件に、衣料品や住居品、生活家電などの不要品を、自社商品券や割引券、現金などと引き換えられるというものです。この場合の店舗側の会計処理ですが、自社商品券や割引券を消費者に配布した時点では特別な処理は発生せず、消費者が商品券などを使用した際に「値引き」処理を行えばOKです。また、現金で下取りセールを行う場合は、単に仕入れを行ったことになります。
一方、いわゆる「下取り」とは、商品を販売する際に購入者がそれまで使用していた商品を買い取って販売代金の一部とすることです。下取りでは、中古品として販売するためのリペア費用などを含めて査定を行い、その金額をもとに商品を買い取ります。販売店での会計処理は、下取り代金を「仕入」、商品の販売代金を「売上」とします。この「売上」には下取り価格を含むことができず、仕入れと売上を個別に処理することになります。 なお、「下取り」を仕入れとして処理する場合ですが、仕入先が一般の消費者の場合でも消費税の課税仕入に該当します。税務調査の際に「記入漏れがある」として仕入税額控除を適用できないと指摘されるケースも増えているようなので、注意が必要です。
ところで、下取りのなかには「古い型式のものでも一律5千円で買い取る」というケースがあります。この場合、実際の評価額よりも著しく高額で買い取られることもありますが、これは、実質的には値引き販売となるため、通常の「仕入」「売上」処理のほかに、「値引き」の処理が必要となります。(エヌピー通信社)
中野税理士事務所 名古屋市中区大須:独立開業・会社設立・店舗開業・起業支援
2009年09月24日
厚生年金加入期間
昔務めていたころ、厚生年金に加入したものの、年金の受給資格を得るには加入期間が短く、また国民年金にも未加入や未納であった等という方は、65歳になっても年金の受給権が発生しない事があります。受給資格を得る方法はないのでしょうか?
■高齢任意加入被保険者となる
厚生年金保険の適用事業所に勤めている人は、原則として70歳に達した日に被保険者の資格を失います。但し70歳に達しても老齢給付の受給期間を満たしていない人は、受給資格を満たすまで、任意加入する事ができます。
高齢任意加入は社会保険事務所に資格取得の届出が受理された日に取得となり、老齢基礎年金等の受給権ができるまで、任意加入を続けることができます。ただし、保険料を滞納し、督促状に指定された日までに納入しない時は資格を失います。
保険料は事業主負担分を事業所が負担し、給与から徴収するか、本人が本人分と合わせて全額負担するかを話し合いで決め、任意加入時に選択して申込みます。本人が全額負担する時は本人宛に請求書が届きます。
■脱退手当金を受ける。但手続き前に要確認
厚生年金の加入期間が短く、国民年金にも未加入や未納が長く、年金受給資格がない方は、昔勤めていた時の厚生年金加入期間の分を部分的に一時金で受け取る事も出来ます。
支給要件は
? 昭和16年4月1日以前に生まれ
? 被保険者期間が5年以上
? 被保険者資格を喪失していること
? 厚生年金保険の受給資格がないこと
です。
支給額は被保険者期間中の標準報酬月額の平均額に被保険者期間に応じて決められた支給率を掛けた額が支給されます。
注意する事は脱退手当金を受けると原則として、その計算のもとになった期間は被保険者でなくなったものとされます。ですから、受給後に過去の他の厚生年金保険の加入期間が思い出され、合算したらもらえたのに等という事のないようよく確認することが大事です。
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2009年09月21日
花火大会/企業協賛金の経理
花火大会や夏祭りの協賛金を支出した企業では、その税務処理に戸惑っている経理担当者も多いのではないのでしょうか。
こうした協賛金は、地元地域への貢献のみを目的とした協賛金であれば、「寄付金」として取扱うのが適当です。寄付金であれば対価性がないので消費税は非課税となります。
また、花火大会の実行委員会などにビールやジュースなどの物品を差し入れした場合も同様の処理を行います。寄付金は原則として損金に算入できますが、その金額には上限があるので注意が必要です。
一方で、花火大会の最中に協賛企業がアナウンスされたり、企業名入りの提灯が会場内に掲示されるといったケースでは「広告宣伝費」として処理を行います。この場合、全額を損金として処理できますが、広告宣伝費には対価性があるため、課税取引となります。
たとえば、3万1500円の協賛金を現金で支払った場合には、借方に広告宣伝費3万円と仮払消費税1500円を、貸方には現金3万1500円を記入します。(エヌピー通信社)
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2009年09月19日
個人所有建物売却と消費税
会社などの法人が所有していた建物を売却した場合は、すべて消費税の課税対象となりますが、個人の場合はどうでしょうか?
個人の場合、売却建物の用途によっては消費税の課税対象にならないケースがあります。
なお、法人は前々期、個人は前々年の課税売上高が1千万円以下の場合は消費税の納税義務が免除されています。
■個人が居住用の建物を売却した場合
消費税において課税対象となるのは、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等とされますので、事業者でない個人が、事業とは関係ない居住用建物を売却した場合は、消費税の課税対象とはなりません。
■個人が別荘用の建物を売却した場合
個人が事業とは関係ない別荘を売却しても、消費税の課税対象とはなりません。
■個人が賃貸住宅用の建物を売却した場合
その物件が住宅の賃貸用である場合、家賃収入には消費税がかかりません。
そのため、その物件を売却しても非課税と思いがちですが、そうではありません。
住宅用に貸付けていた建物は、事業として使用していたものであるため消費税の課税対象になります。
■個人が賃貸事務所・店舗・工場用の建物を売却した場合
これらの賃貸収入には消費税が課税されていますので、売却収入が消費税の課税対象になることに違和感がないと思います。
■まとめ
?資産をどういう目的で売却するかは、消費税の課税に関係ありません
個人の生活用家財を購入するために事業用資産である建物や自動車などを売却しても消費税の課税対象になります。逆に、事業資金を捻出するために個人資産を売却しても消費税の課税対象にはなりません。
?売却資産の用途で判定することになります
個人の場合は、その建物を事業として使用していたものだけが課税対象となります。
税務上、この「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供が反復、継続、独立して行われることをいうとされています。
中野税理士事務所 名古屋市中区大須:独立開業・会社設立・店舗開業・起業支援
2009年09月17日
平成21年9月の税務
9月10日
●8月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
9月30日
●7月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●1月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の1月、4月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の6月、7月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(5月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
中野税理士事務所 名古屋市中区大須:独立開業・会社設立・店舗開業・起業支援
2009年09月04日