名古屋の税理士である中野税務会計事務所が更新する情報を月ごとに紹介-2008年11月

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賃借処理した移転外リース

国税庁が11月21日に更新した質疑応答事例で、所有権移転外リース取引に関わる消費税の取り扱いについて、以下の2項目が追加されています。
◎賃借人における所有権移転外ファイナンス・リース取引の消費税法上の取扱い
◎所有権移転外ファイナンス・リース取引について賃借人が賃貸借処理した場合の取扱い

◎賃借人における所有権移転外ファイナンス・リース取引の消費税法上の取扱い
 これは、賃借人が所有権移転外ファイナンス・リース取引を行った場合、リース資産の引渡しを受けた日に資産の譲受けがあったものとして、その日の属する課税期間において消費税を一括して仕入控除税額の計算を行う(消費税法基本通達11−3−2)ことを明らかにしたものです。
 ただし、所有権移転外ファイナンス・リース取引を賃貸借処理した場合については、「当該処理に応じた取扱いが認められる」ということが併記されました。その具体的な内容が次の項目です。

◎所有権移転外ファイナンス・リース取引について賃借人が賃貸借処理した場合の取扱い
 賃借人が所有権移転外ファイナンス・リース取引を賃貸借処理(支払ったリース料を賃借料として経理処理)した場合は、そのリース料を支払った日の属する課税期間における課税仕入れ等としても差し支えないとされています。

 つまり、所有権移転外ファイナンス・リース取引を行った場合、リース資産の引渡しを受けた課税期間においてリース料総額分の消費税を一括して仕入税額控除するのが原則ですが、支払ったリース料を賃借料として処理している場合は、その課税期間内に支払ったリース料分の消費税だけを仕入税額控除する分割控除も、特例として認められるということです。

 ただし、リース初年度は支払ったリース分の消費税を仕入税額控除して、その翌年度にリース料残額分の消費税を一括仕入控除することは認められません。一旦、支払ったリース料分の消費税だけ仕入税額控除することを選択した場合は、リース料の支払いが完了するまで、その処理を継続しなければならないわけです。

 また、リース初年度が簡易課税制度選択業者(または免税事業者)で、翌年度に原則課税(または課税事業者)になった場合についても、所有権移転外ファイナンス・リース取引を賃貸借処理していれば、上述の分割控除が認められるとのことです。

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2008年11月29日
国税庁 電話税務相談センター

国税庁は11月4日から、「電話相談センター」への集中化を、全524税務署でスタートさせました。

 これにより、すべての税務署にかけた電話は、音声ガイダンスによる番号選択で、一般的な税務相談と、各税務署への個別要件に振り分けられ、一般的な相談は、国税局(国税事務所)ごとに設置される「電話相談センター」に接続。

所得税や法人税、資産税などの税目を番号により選択し、税目別に配置される相談官が対応することになります。各税務署へ相談者を特定した照会などをする場合は、最初の番号選択で各税務署員に電話をつなぎ、面接相談などのアポイントメントを取るかたちです。

 「電話相談センター」への集中化は、平成18年度から、電話相談を「効率的に集中処理する」ために試行されたもので、同19年度には284税務署で実施されました。同19年度の同庁の実績評価書では、税目別の相談体制、相談員の専門能力を高める研修などにより、相談時間が1件15分以内であった割合が、目標値の80%に対し、99.4%と、「順調に推移している」とされています。同庁も「より質の高い、迅速な回答が可能となる」としており、自信を覗かせています。電話相談の際に相談者のイライラを募らせる“話し中”の時間についても、「確定申告期は多少お待たせすることもあるが、従前よりはつながりやすくなる」としており、相談員は全国600人体制で備えるとしています。(エヌピー通信社)


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2008年11月28日
上場株式等の譲渡益課税

平成20年度の税制改正で、個人投資家の上場株式等に関わる税制は、平成21年から変更になり、平成22年まで軽減措置があり、平成23年から新しい税制になります。
 そこで、上場株式等の譲渡益課税について、現行の税制を踏まえ、今後の改正についての主要な内容を確認しておきましょう。

(1)平成20年度の譲渡益課税
 平成20年までの上場株式等の譲渡益に係る税率は10%(所得税7%、住民税3%)で、?「源泉徴収あり」の特定口座では申告不要、?一般口座及び「源泉徴収なし」の特定口座では要申告です。
なお、?譲渡損失の3年間繰越控除制度(平成21年以降も同様)、?上場株式等の取得費の特例「みなし取得費」(平成22年まで)は適用できます。

(2)平成21年、22年の譲渡益課税
上場株式等の譲渡益に係る税率は、500万円以下の部分は10%、500万円超の部分は20%(所得税15%、住民税5%)となります。
具体的には、課税対象となる譲渡益が(損益通算後及び繰越損失の控除後)が900万円だった場合、500万円までの部分に税率10%で税額50万円、残り400万円に税率20%で税額80万円、税額合計130万円になります。
なお、特定口座・一般口座等のすべての年間譲渡損益の通算額500万円を超えた場合は、「源泉徴収あり」の特定口座での譲渡分も含めて申告しなければなりません。
つまり、「源泉徴収あり」の特定口座では、譲渡益が500万円以下であれば10%の源泉徴収で申告不要です。しかし、すべての年間譲渡益が500万円超えると要申告となります。そこで、この場合の税額計算は、まず、500万円以下の部分に10%、500万円超の部分に20%の税率で計算した税額から、すでに特定口座で源泉徴収されている10%の税額を控除した金額を納付税額として計算するということです。

(3)平成23年の譲渡益課税
上場株式等の譲渡益に係る税率は、20%となります。なお、「源泉徴収あり」の特定口座(源泉徴収税率20%)での譲渡分は、譲渡益金額にかかわらず申告不要を選択することができます。
証券税制、今後も紆余曲折があります。平成21年度改正から目が離せません。

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2008年11月26日
上場株式等の配当課税

平成20年度の税制改正で、上場株式等の譲渡益課税が改正されました。これに平仄を合わせるように、上場株式等の配当課税についても改正が行われ、適用は平成21年以降からです。
そこで、上場株式等の配当課税について、現行の税制を踏まえ、今後の改正について主要な内容を確認しておきましょう。

(1)平成20年の配当課税
  平成20年までの上場株式等の配当等については、10%(所得税7%、住民税3%)の税率で源泉徴収され、確定申告は不要です。もちろん、申告不要でも確定申告をすることができますが、申告した場合は、総合課税となり所得の多寡により税率5%〜40%の累進税率が適用され、住民税も10%の課税があります
(配当控除の適用はあります)。
 配当収入の計上時期ですが、配当の権利を取得した日や配当を受け取った日ではなく、効力発生の日(一般的には配当支払開始日と同日)が収入時期になります。
 なお、発行済株式総数の5%以上保有の大口個人株主における配当ついては、総合課税として確定申告が必要です。

(2)平成21年、22年の配当課税
 平成21年以降から?申告不要または?申告分離課税または?総合課税のどちらも選択できます。
 上場株式等の配当等について、一定の計算による年間合計額が100万円を超えると申告しなければなりません。申告する場合、申告分離課税の場合は、100万円以下の部分10%、100万円を超える部分20%(所得税15%、住民税5%)の税率が適用され、総合課税を選択した場合は、平成20年と同様の課税関係になります。なお、源泉徴収税率は引続き10%です。
 100万円の計算方法ですが、原則、年間の配当合計額が「1万円を超える銘柄」だけで計算します。例えば、A銘柄年間6千円、B銘柄年間5万円、C銘柄年間1万円、D銘柄年間50万円、E銘柄年間60万円だとしますと、配当の年間合計金額は、B、D、E銘柄の合計額115万円となります。

(3)平成23年の配当課税
 源泉徴収税率は20%になりますが、確定申告せずに済ませることができます。確定申告をした場合は、20%の申告分離課税と累進税率の総合課税の選択となります。
 配当税制、今後も流動的です。平成21年度税制改正から目が離せません。《コラム》

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2008年11月25日
原料高騰:保証制度緩和

材料の高騰を価格に転嫁できず、資金繰りに行き詰まる中小企業が後を絶ちません。
 こうした状況を踏まえ、政府は今年8月に新たな保証制度の導入を決定しました。

そして、これを受けて中小企業庁では、10月31日から「原料価格高騰対応等緊急保証制度」をスタートさせました。

 同制度は、原材料の高騰による経営悪化要件を満たす中小企業が、金融機関から融資を受ける際、一般保証とは別枠で、無担保保証8千万円、普通保証2億円について、信用保証協会の100%保証を受けられるものです。
 対象となる指定業種は、これまでの185業種から454業種に大幅拡充しており、原材料や仕入価格の高騰によって、売上減少または転嫁困難に陥っていると市区町村が認定した場合が対象となります。

 今年10月31日から平成22年3月31日までの1年半年が適用期間となっており、3ヵ月に1度程度の割合で対象業種について追加などの見直しを行っていく予定としています。
 同庁では「400万社あるうちの249万社が同制度の対象になると見込んでおり、期間を通じて約6兆円の利用を想定している。製造業や卸小売業を中心に利用できるのでは」と中小企業救済に意欲を見せています。(エヌピー通信社)

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2008年11月21日
節目の年齢における諸手続

■社会保険・給与計算時、到達年齢による確認事項■
 社会保険・労働保険には、年齢により新たに保険料を控除したり、控除しなくなったりという、節目の年齢があります。これを覚えておくと、給与計算時に漏れることなく処理することができます。確認してみましょう。

■満40歳 健康保険の介護保険料の控除を始める年齢です。通常誕生月の翌月の給与より控除を開始します。

■満60歳 最近は定年の延長をする会社が増えてきましたが、一般的には満60歳を定年とし、退職か再雇用をする企業が多いと思います。再雇用の場合は定年前に給与額や勤務日数、仕事の内容等について話し合われる必要があるでしょう。働きながら年金を受給したい場合は、給与額により在職老齢年金が支給となります。

■満64歳 その年の4月1日現在に満64歳に到達していた方は、その4月より本人、会社とも雇用保険料負担がなくなり、控除の必要がなくなります。又、失業給付は65歳以降に退職した場合は「高年齢求職者給付金」として一時金支給となりますが、64歳のうちに退職した時に受ける基本手当の6割程度となってしまいます。

■満65歳 65歳以降も社会保険に加入していた場合は、給与額に関係なく厚生年金の定額部分は全額支給されるようになります。報酬比例部分の在職老齢年金の上限も上がり支給額も上がります。介護保険料は年金からの控除となるので会社での控除は終了します。

■満70歳 70歳以降も社会保険に加入していた場合でも、65歳以降と同じく在職老齢年金の制度は継続されます。但、厚生年金保険料の給与からの控除は終了します。なお、「厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎・月額変更・賞与支払届」を必要な時期に提出しなければなりません。

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2008年11月19日
ホームページ売却時の確定申告

■所有期間5年以内は短期のはずが……
 所得税法では、資産の譲渡による所得で所有期間が5年以内のものについては、短期譲渡所得として課税されますが、所有期間が5年以内であるにもかかわらず、長期譲渡所得として課税されるものがあります。

■ホームページを売却したら
 3年前から、休日に趣味でコミュニティーサイトを運営しているAさん。このホームページをB社から譲ってほしいと申し出を受け売却した場合、どのように課税されるでしょうか?

■ホームページは著作物
? 著作権とは、著作物を独占的に支配して利益を受ける排他的な権利で、譲渡、利用許諾及び質権等の対象となる。
? 著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸・学術・美術又は音楽の範囲に属する。
? 著作物は人間の精神的な創作活動の所産であるが、思想又は感情そのものは著作物ではなく、その創作的な表現形式が著作物として保護の対象となる。

ホームページについては、その表現に創作性があれば著作物として保護されるものとされています。

■著作権の譲渡は長期譲渡所得に該当
 所有期間が5年以内でも、自分が研究して取得した特許権や実用新案権などの工業所有権、自分が著作した著作権などは、総合課税の長期譲渡所得として課税されます。
 譲渡益があるときは、特別控除50万円を差引いた残額の1/2の金額が課税対象となります。ただし、事業として行っている場合は、事業所得となります。【注目コラム】

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2008年11月18日
平成20年12月の税務

◇給与所得の年末調整
 調整の時期・・・本年最後の給与の支払をするとき
 
◇給与所得者の保険料控除申告書、住宅取得控除申告書の提出
 提出先・・・給与の支払者経由、その給与に係る所得税の納税地の所轄税務署長
 提出期限・・・本年最後の給与の支払を受ける日の前日

◇固定資産税(都市計画税)の第3期分の納付
 納期限・・・12月中において市町村の条例で定める日

◇11月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額・納期の特例を受けている者の住民税の特別徴収額(当年6月〜11月分)の納付
 納期限・・・12月10日(水)
 
◇7月〜12月分源泉所得税の納期限の特例届出書の提出
 提出期限・・・12月22日(月)
 
◇10月決算法人の確定申告\n<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
 申告期限・・・平成21年1月5日(月)

◇1月、4月、7月、10月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告\n<消費税・地方消費税>
 申告期限・・・平成21年1月5日(月)
 
◇法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告\n<消費税・地方消費税>
 申告期限・・・平成21年1月5日(月)
 
◇4月決算法人の中間申告(半期分)
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>
 申告期限・・・平成21年1月5日(月)

◇消費税の年税額が400万円超の1月、4月、7月決算法人の3月ごとの中間申告\n<消費税・地方消費税>
 申告期限・・・平成21年1月5日(月)
 
◇消費税の年税額が4,800万円超の9月、10月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(8月決算法人は2ヶ月分)
<消費税・地方消費税>
 申告期限・・・平成21年1月5日(月)

中野税理士事務所  名古屋市中区大須:独立開業・会社設立・店舗開業・起業支援

2008年11月16日
印紙税に注意

印紙税は、基本的に法人税調査とあわせて行われますが、なかでも重点的にチェックされるのが契約書です。領収書や手形などと異なり、契約時に貼り忘れたまま放置しているケースが見受けられるためです。

 印紙の貼り忘れが指摘されやすい契約書としては、覚書や仮契約などが挙げられます。契約の変更で覚書を作成した場合、金額の変更などといった重要な事項が記載されていれば印紙の貼付が必要です。

 また、契約書に記載された金額が消費税込みなのかどうかにも注意が必要です。たとえば、請負に関する契約書の場合、金額が300万円超500万円以下ならば印紙税額は2千円、500万円超1千万円以下ならば1万円です。500万円と消費税25万円を別々に記載したり、消費税25万円を含むと明記した上で525万円とした場合、印紙税額は2千円で済みますが、「消費税等5%含む」と記載していれば525万円が契約の金額となり、印紙税額は1万円となるのです。

 このほか、うっかりミスといえるのが印紙税の消印です。印紙税は、印紙の貼付と消印がワンセットで初めて納付したことになります。そのため、貼付はしたが消印を押し忘れている場合にも納付していない場合と同様に扱われるので注意が必要です。

 税務調査などで印紙税を納付していないことが発覚すると、未納付分に加え、その金額の2倍の過怠税が課されます。つまり、納付金額は全部で3倍になるのです。さらに、過怠税として納付する場合には、法人の損金や所得税の必要経費とすることができないので、十分注意したいところです。(エヌピー通信社)

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2008年11月14日
どちらの扶養親族

所得税においては、所得者が2人以上いる場合に、これらの者の控除対象扶養親族の取扱については、勤務先に提出する「給与所得者の扶養控除等申告書」に記載されたところによることとされています。

同世帯の両親が所得者である場合には、お互い話し合って、長男は夫の扶養親族に、長女は妻の扶養親族にするか、あるいは、両親の所得の多寡によって家計全体で最も節税となる扶養親族の帰属を選択するかは、その両親の自由です(控除対象扶養親族の要件を満たしていることが前提)。
このように、所得者が2人以上いる場合、同一人をそれぞれの所得者の扶養親族として重複して申告しない限り、どの所得者の扶養親族としても差し支えありません。

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2008年11月13日
社葬に関する経理・税務

社葬費用については、法人税法基本通達に「その社葬を行うことが社会通念上相当と認められるときは、その負担した金額のうち社葬のために通常要すると認められる部分の金額は、

その支出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができるものとする」と記載されています。

 社会通念上相当と認められる社葬は、会社が内規などで役職などを取り決め、さらに取締役会で社葬の決定を行った場合はほぼ間違いなく大丈夫です(税務調査に備えて、その議事録は残しておくことをお勧めします)。ただし、内規などに盛り込まれていなくても「会社への貢献度合いが高いなどの事情から、周囲が社葬は相当と認めるようなものならば社会通念上相当と認められる」(税務当局)ようです。

 また、社葬のために通常要すると認められる部分は、「一般的な葬儀にかかるような費用でれば、損金算入となる」(同)ようですが、香典返しや墓地の購入代金などは、遺族の負担すべき費用であるため、「単純な損金にはならない」(同)としています。


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2008年11月11日
法人税の調査課税事績

 国税庁が「平成19事務年度における法人税の課税事績について」を公開しています。これは、平成19年7月から平成20年6月までの間(平成19事務年度)にあった法人税、および消費税(法人)の申告や税務調査の状況をまとめたものです。

それによると、平成19事務年度末の法人数は前年度より2千法人減って300万3千法人。同年度内に法人税の申告を行った法人は279万9千法人(前年度より1万2千件増加)で、そのうち黒字申告を行った法人の割合は32.4%(同0.1ポイント減少)でした。申告所得金額は前年度に比べ1兆7957億円少ない55兆287億円となっています。
 申告所得額が大きく減少しているのは、連結納税を選択している企業が増加しているのが主要因と思われます(連結納税では親子会社の損益を通算して申告するため、申告所得金額と欠損金額がそれぞれ相殺、圧縮されることになります)。国税庁によると、実質的な申告所得金額は前年度に比べて微減ということです。

 なお、同事務年度に実施された法人税の実地調査数は14万7千件で、そのうち何らかの非違(申告漏れなど)があったものが10万8千件、さらに仮装、隠ぺいによる不正計算とされたものが3万2千件でした。これらは、ほぼ前年並みの件数となっていますが、申告漏れ所得金額は1兆6259億円と前年度より988億円(5.7%)減少しています。
 不正計算が見つかった業種としては、バー・クラブが6年連続で不正発見割合がもっとも高く(58.1%)、ついでパチンコ(50.1%)、再生資源卸売(37.5%)、廃物処理(35.9%)の順でした。

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2008年11月10日
肩代わりした取引先の飲食費

 平成18年度税制改正において、「1人あたり5000円以下の飲食費を交際費から除く」規定が定められました。 具体的には「法人が得意先や仕入先など事業に関係のある者に対して」「接待、供応、慰安、贈答などの目的で支出した」

「飲食その他これに類する行為のために要する費用(役員や従業員、またはその親族に対するものを除く)が」「一人5000円以内であれば交際費には含めなくて良い」という規定です。

 この規定の適用が開始されてから1年半ほど経過し、この規定を積極的に利用する企業は増えてきています。
 ただ、その一方でこの規定を拡大解釈している例も出てきました。
 たとえば、取引先が行った飲食費を肩代わりした場合(自社の役員や社員が参加していないケース)に、その費用を交際費に含めずに経費としてしまうことがあります。国税庁のQ&Aなどで同規定が適用されるとされている「取引先の行事などに際して弁当などを差し入れた場合」と同じだと勘違いしてしまうわけです。

 しかし、飲食費を肩代わりするという行為は上述の「飲食その他これに類する行為のために要する費用」ではなく、金銭等の贈答にあたるため交際費です。上の例でいえば、「取引先の行事などに際して弁当などを差し入れる」のは同規定の適用内でも、「取引先の行事などに際して弁当”代”を差し入れる」のは金銭等の贈答になるため交際費になるのです。

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2008年11月07日
社長から会社への貸付金

 中小企業では、社長(もしくは役員)が会社の運転資金などをポケットマネーで支払う場合があります。この場合、社長や役員から会社が資金を借り入れたということになり、経理上は借入金として処理することになります。


 ところが、その後も会社の資金繰り等が苦しいなどの理由で、その借入金が長期間にわたって返済されないというケースもあります。そのような場合、社長や役員からの贈与ではないかと税務署から疑われる場合があるので注意が必要です。

 もし、贈与と認定されてしまった場合、その資金は会社の収入(雑収入など)ということになり課税の対象となります。税務調査などで数年前の同行為について指摘された場合は「申告漏れ」(万が一「故意、悪質」と判断されてしまうと「脱税」)ということにもなりかねません。当然、多額の加算税などを支払うことになってしまいます。

 そのような事にならないよう、社長や役員が会社に資金を貸し付けた場合には借用書(金銭消費貸借契約書)を作成し、返済の方法等を決めておきましょう。また、貸し付ける資金は必ず会社の口座等を通すことも重要です。税務調査への対応では「疑われないこと」「説明できる資料があること」が何より大事なのです。

 なお、金額が少額の場合、社長や役員に利息を支払う必要はありませんが、もし支払う場合は適正な利率で利息を計算するようにしましょう。特別な理由がないのに高い利息を支払ってしまうと、通常の利息分との差額が社長や役員への給与とされてしまう場合があります。

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2008年11月06日
住宅ローン「金利変動型」選択が増加

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が「平成20年度 民間住宅ローン利用者の実態調査(第2回)」を取りまとめました。

それによると、平成20年7月から平成20年10月の3ヶ月間に民間住宅ローンを利用した人のうち、「金利変動型」を選んだ人が35.3%(前3ヶ月調査時は26.5%)に増えています。

 民間金融機関の住宅ローンには、「変動金利型」「全期間固定金利型」「固定期間固定金利型」という3つのタイプがあります。
 変動金利型は随時(通常は半年ごと)に金利を見直すもので、全期間固定金利型はローン期間中の金利を借入れ時点で決めてしまうもの、固定期間固定金利型は一定期間は借入れ時に定めた金利が適用されますが、その後は変動金利となるものです。

 どの金利タイプが有利(総支払額が少ない)かは、一般的には金利の状況によって決まるといわれています。当然、金利が上昇している局面にあっては固定金利型の方がリスクが少なく、金利が低下している場合は変動金利型の方が期待度が大きくなると考えるのが普通です。

 ただ、そう単純な話でもありません。
 固定金利型は将来の金利変動を予測して金利を決めるため、同時期に借入れをした変動金利型よりも金利が高い場合がほとんどです。金融機関自身のリスク軽減のためか各種手数料が高めに設定されているケースもあります。また、変動金利型には金利が上がりすぎた場合に備えて、いくつかのセーフティネット機能が用意されています。たとえば、金利が変動しても返済額は5年間変わらないとか、返済額の増加は1.25倍までに制限されているという仕組みです。(ただし、どちらの仕組みも金利差額が未払い利息としてローン残高に加算されますから、将来の返済計画への影響が大きくなる場合も考えられます)

 固定金利型のメリットは、年々の返済額が確定されていることにより、将来に渡る返済計画や生活設計が立てやすいということでしょう。もし、金融機関の予想を超えるような金利の上昇があった場合には、「固定金利型で良かった」というケースも出てきます。ただ、そのようなケースはあまり期待できませんし、もしあったとしても影響額はそれほど大きくはならないでしょう。

 逆に金利の変動が金融機関の予想通りか下回る場合は、金利変動型の方が有利(総支払額が少なくなる)になると考えられます。特に、現在のように景気の状況が今ひとつで将来金利の据え置き、低下が予測される状況においては、変動金利型の方が有利と考える人が多く、今回の調査で変動金利型の利用割合が増えているのはそのためでしょう。ローン開始時の金利が固定金利型よりも低いというのも魅力的です。ただ、もし金利が上がった場合は予定外の出費ということになりますし、前述の未払い利息の問題もあります。

 結局、自分の生活スタイルや将来設計に合わせて、金利タイプを選ぶのが賢い選択方法といえるでしょう。

中野税理士事務所  名古屋市中区大須:独立開業・会社設立・店舗開業・起業支援

2008年11月05日
平成20年11月の税務

◇個人事業税の納付(第2期分)
 納期限・・・11月中において各都道府県の条例で定める日
 
◇10月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
 納期限・・・11月10日(月)

◇所得税の予定納税額の減額申請
 申請期限・・・11月17日(月)

◇所得税の予定納税額の納付(第2期分)
 納期限・・・12月1日(月)
 
◇特別農業所得者の所得税の予定納税額の納付
 納期限・・・12月1日(月)
 
◇9月決算法人の確定申告\n<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
 申告期限・・・12月1日(月)
 
◇3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告\n<消費税・地方消費税>
 申告期限・・・12月1日(月)
 
◇法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告\n<消費税・地方消費税>
 申告期限・・・12月1日(月)
 
◇3月決算法人の中間申告(半期分)
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>
 申告期限・・・12月1日(月)
 
◇消費税の年税額が400万円超の3月、6月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告\n<消費税・地方消費税>
 申告期限・・・12月1日(月)
 
◇消費税の年税額が4,800万円超の8月、9月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(7月決算法人は2ヶ月分)
<消費税・地方消費税>
 申告期限・・・12月1日(月)
 
※税を考える週間・・・11月11日〜17日

中野税理士事務所  名古屋市中区大須:独立開業・会社設立・店舗開業・起業支援

2008年11月04日
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