経営者のなかには“芸術通”も多いようですが、古美術品などを会社で落札した場合の税務処理については安易に考えてはいけません。
複製画など、単なる装飾目的の美術品は、器具および備品の減価償却資産として処理できます。
10万円未満であれば支出時点での償却が可能です。しかし税務上、非減価償却資産の「書画骨とう」とされるものはその取扱いを受けず、資産計上する必要があります。
書画骨とうとは、?古美術品、古文書、出土品、遺物などのように歴史的価値または希少価値を有し、代替性がないもの、?美術関係の年鑑などに登載されている作者の制作にかかる書画、彫刻、工芸品など――と規定されています。有名芸術家の作品などは、ときの経過によって価値が減少しないため、減価償却資産には該当しないわけです。
一方で、なかには、書画骨とうかどうか判別のつきにくいものも少なくありません。この場合、取得価額が1点20万円(絵画は1号あたり2万円)以上なら書画骨とうということになります。
なかには、高級料理店など有名芸術家の作品を食器として使うところもありますが、「実用目的で書画骨とうを購入し、実際に皿として使うなら、使用とともにいたんでいくもので、高額でも書画骨とうではなく、食器として減価償却できる」(国税庁)ようです。(エヌピー通信社)
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